こんにちは、マキコです。
今回は、「ウォーキングで失敗しない!健康づくり効果のある正しい歩き方とは?」というテーマでお話していきたいと思います。
健康のため、と思って始めたウォーキングが、実は健康に害を及ぼしてしまった、という話は、実は少なくありません。
実際、わたしの母も、1日1万歩のウォーキングを心がけながらも、途中で腰を痛め、現在は要介護状態となってしまいました。
ウォーキングが全ての原因ではありませんが、健康にいいというイメージだけを信じ、ウォーキングしさえすれば、と始めるのは、ちょっと待っていただきたいのです。
上手にやれば、健康寿命を伸ばすこともできるというデータが、得られているウォーキング。
注意すべき点、適切な歩き方を知り、バッチリと健康効果を得られるものにしていきましょう!
ウォーキングは本当に健康効果があるの?
道具もいらず、歩くだけ!お金もかからないし、気軽にすぐにできて、健康寿命も伸びる?
ただ歩くだけで大丈夫なのかしら?と、ちょっと心配になりますよね。
しかし、これ、健康効果が実証されているんです!
健康寿命が伸びるウォーキングとは!?
青栁幸利氏(東京都健康長寿医療センタ〜研究所・医学博士)が、15年以上にわたり、中之条町の65歳以上5000人を対象に行い、身体活動と病気予防の関係についての調査を実施し、その結果から、万病を予防できるウォーキングスタイルを導き出しています。
要介護生活、うつ病、認知症、脳卒中、心筋梗塞などの心疾患、がんなどの生活習慣病、動脈硬化、骨粗しょう症、高血圧症、糖尿病…。
歩き方を少し変えるだけで、日本人の死因の1位・2位を占める、がんと心筋梗塞から、生活習慣病の代表的な病気、糖尿病や高血圧症まで、万病を予防できるのです。
(出典:「やってはいけないウォーキング・青栁幸利」)
厚生労働省の調べによると「平均寿命」と「健康寿命(介護や寝たきり状態がなく日常生活を送ることができる)」の差は、約10年。(出典:平成26年度版厚生労働白書〜健康・予防元年)
これをもっと短くしたいという、誰にとってもの願いを、ウォーキングが叶えてくれるのでしょうか?
1日の総数で8000歩と20分の強運動
青栁氏が推奨するのは「1日の総運動量として、8000歩と20分の強運動」
8000歩だって、おおよそ1万歩と言えるのでは?と、などと少々ひねくれて考えてしまうのですが、青栁氏の調査データによると、1万歩以上で効果のあるケース(メタボ解消)もあるものの、病気を防ぐという視点から見ると、効果は8000歩と変わらないのだとか。
ダイエットに効くのか?
これだけ健康効果があるウォーキング。
ダイエット効果も期待したい!と言う声が聞こえそうですが、実際、ダイエット、という言葉にあなたは何を期待していますか?
体重を落としたいのか、腰回りをスッキリさせたいのか、二の腕を細くしたいのか?
そして、ここで取り上げているのは「健康維持」のためのウォーキングです。
人間が健康を維持し、生活するために必要な、最低限の運動量をクリアしよう、という目的です。
- スポーツは、楽しみのために、健康維持とは別にする運動です。
- ダイエットは、外見の美しさのために、健康維持とは別にする運動です。
- 筋肉を育てるのも、カッコイイという外見を得るためのもので、これは逆に健康とは言い難いものがあります。(筋肉質の人は風邪をひきやすい、って知っていますか?)
ウォーキングでは、もちろん、動いて筋肉を使うわけですから、それなりに筋肉は鍛えられ、カロリーは消費されます。
歩くことで代謝や循環がよくなれば、それなりにスッキリもするでしょう。
しかし、それ以上を求めるのなら、もっと効率のいい他の取り組み方や、運動、ストレッチなどをすることをオススメします。
ウォーキングのついでに、大きく腕を振って消費カロリーを多くしようとしたり、筋肉をつけようと、余計な動きや力を付け足したり、というのはオススメできません。
歩きながらだと、ついやりすぎて負担となったり、狙った効果と違う動きをしても気づきづらいものだからです。
そして、体重を減らしたいのなら、実は毎日体重を計ったり、食事内容の見直し、食べることについてのマインドを見直したりすることのほうがよっぽど効果的。
また、おなかや足の太さを気にするならば、姿勢を見直して、本来不要なところに力をかけ、筋肉や脂肪を育てたり疲れさせたりしていないかをみていく方が、健康的かつ効果的です。
もし、ダイエットを目指すなら、どこがどうなりたいのかをはっきりさせ、もっと効果的なことを選びましょう。
健康維持以上のものを求める場合、どんな状態を目的とするか、というのをはっきりさせ、その効果が実際出ているかというのを自分で確認しながらやることをおすすめします。
ついで、という考えを捨て、自分のカラダとココロの健康をもっと大切に扱いましょう。
健康効果のないウォーキングとは?
1日の運動総量として8000歩と強運動20分というウォーキングスタイルが、万病の予防になるという、これは青栁氏の調査による実際のデータから導き出されたもの。
つまり、その実際のデータと同じようにやらなければ、効果はない、あるいは悪影響もありうるということです。
実際、これを実施するにあたっての注意が、本にはさまざま書かれています。
たくさん歩けばいいのかというと、1万4,000歩以上に歩数を増やすと、免疫力が下がってしまうこともあるのだとか!
「ウォーキングが気軽だ」というのは、だれもができ、普段からやっているという意味にすぎない、ということを、心に留めておく必要があります。
計測しないで歩いてはいけない
青柳氏は、今の生活に、ただ8000歩をプラスするようなことは、決してしないでほしいと言っています。
まず、自分の今の1日の運動量を計るところから始めること!
そして、8000歩と強運動20分の運動総量に足りないようであれば、それを補う形でウォーキングを取り入れるというのが推奨されているやり方です。
そのために、1日の運動総量を把握する必要があります。
朝起きてから寝るまで、普段の生活全ての運動量を調べる、というとめんどくさい、という気持ちになりがちですが、そのために便利なのが身体活動計というもの。
本で紹介されているのは、ベルトやポケットに入れるタイプですが、今の主流はリストバンドタイプ。
スマホと連動でき、様々な機能があります。睡眠の様子なども計れるので、面白いですよ。
私が使っているのはこれ。軽いし、シャワーくらいは平気なので、気軽に付けられます。
健康維持とスポーツ、ゲーム、ダイエットを混同してはいけない!
人生の多くを昭和に過ごした人は、とにかく「スポーツはカラダにいい」また「カラダを鍛えることが健康につながる」と思い込まされてきました。
しかし「スポーツをする体力と病気を予防する体力は別物」だと青栁氏も言っています。
運動のしすぎは、免疫力を下げてしまうのだとか。
そう「健康のため」と言っても、「やりすぎ」にならない量に止めておくことも重要なのです。
より多く、より速く、より短時間で、というスポーツゲームの勝ち負けにつながる価値観を、健康維持のためにするウォーキングに持ち込むのも厳禁。
また、歩き慣れてくると、楽しくて、もっと歩きたいと思ったり、体力的にも物足りなく感じたり、昨日よりも速く、多く!と思ったりするものです。
ある大学の実験では、万歩計を生徒に持ってもらったところ、何も指示はしていないのに、全員歩く量が増えてしまったといいます。
これもゲーム感覚でついつい、ということなのでしょう。
楽しく、ゲーム感覚で健康維持ができるなら、それは喜ばしいことです。
しかし、常に自分の一番優先させたいもの(健康でも楽しみでも)に、方向を定めることを忘れないでください。
歩く時間や環境は大丈夫?
朝の運動は気持ちのよいものです。
朝日を浴びることでセロトニンが活性化し、活動的になり、また基礎代謝もUPするので、ぜひ朝に運動を!とよく言われます。(出典:大原薬品工業「セロトニンの秘密を探る」)
その一方で、起き抜けの30分ほどは、血圧も上がりやすいのでいきなり激しい運動はやめるよう、また、高血圧の人はそもそもやらないようにとも言われています。
青栁氏は、1日の体温差の部分に注目し、運動は夕方の5時から始めるのがよい、と勧めています。
また、いくら朝がいい、夕方がいい、と言っても、代謝UPを期待しすぎて空腹のままや水分を取らないまま歩いたり、また、真夏や、真冬の気温が激しいときに歩いたりするのは避けるべきなのは当然です。
そしてどこを歩くかによっても、健康効果が変わってきます。
イギリスでの研究では、大気汚染度が高い道路を2時間歩くだけで、呼吸機能などに悪影響が出ると報告されています。
(出典:THE LANCET 'Respiratory and cardiovascular responses to walking down a traffic-polluted road compared with walking in a traffic-free area in participants aged 60 years and older with chronic lung or heart disease and age-matched healthy controls')しかし、都会に暮らしていたら、道路を避け続けることはできません。
こうなると、いつ、どこを歩くのか?どのくらいのリスクを取るのか?自分で判断する必要がでてきます。
どれも、さまざまな研究がされた結果で、そういう結果が得られたという事実に間違いはないもの。
そして、時代が変わるにつれ、今まで言われていたことが、逆転することもありえます。
どれを信用するか、ではなく、一番大事なのは、それを参考にしつつも、自分の体調や気分の声、心地よさを無視しないこと。
情報を集め続けること、そして自分で決めて選びとること。
こういう研究があるから、と鵜呑みにし「だから大丈夫!」「気がすすまないけど」と、無条件にそれに従ってしまうという姿勢が、一番危険だということを、ぜひ覚えておいてください。
「これやると健康に悪いって書いてあったけど。。。時間が取れないから仕方がない」「もしかしたら健康に悪いかも?」などと、後ろめたかったり、疑問に思いながらやるのも、健康効果的には全くのマイナスです。
やる意味がありません。
自分がココロの底からOKを出せる方法を、自分で選び取る、実はこれが一番のポイントでもあります。自分の納得は、自分にしか作り出せないのです。
「これさえやれば!」は、ウォーキングを不健康にする
健康にいいことをしている、と思うと、人はつい油断するもの。
ダイエットなどでも、他で我慢しているからいいか、と、ついおやつやケーキを食べてしまうってことありますよね。
今まで押さえてきた、飲酒や、塩分、糖分、油脂など、「ちょっとなら大丈夫」と、思ってしまいがちになります。
私も昔、肩こりがひどくて鍼灸に月一で通っていた頃。
明日が予約日だと思うと、明日は楽にしてもらえるから、との思いで、普段は肩こりがひどくならないようセーブしている仕事や趣味を、そのままやり続けてしまう、ということがありました。
リセットされるから、いいことをするんだから、という油断。
その頃は、普段の自分の身体に気を使っているようで全く見当違いなことを続けていました。
そのときの先生に言われたのは、「いいことを始めるよりも、悪いことを一つやめなさい」でした。
食事のバランスや自分のストレスに関心を持たない人が、ウォーキングだけをやっても、その効果は思ったほどではないかもしれません。
本当に健康になりたいならば、自分の生活全てに気を配る必要があります。
すぐにウォーキングを始めてはいけないのはこんな人
健康にいいと聞けば、明日からでも毎日8000歩を目指したくなるもの!
しかし、ちょっと待ってください。
毎日8000歩と20分の強運動、人によっては、実はかなりの運動量です。
いきなり明日から8000歩を歩く、を目指さない方がいい人もいます。
何か持病がある人は、もちろん、かかりつけ医に相談してからにすべきです。
膝や腰に痛みがある人
階段を上がり降りするときに、腰や膝が痛い、立ち上がる時に痛い。
普段の生活のひょんな時に、膝が腰が痛いことがある、そんな方は、ウォーキングを始める前に、歩き方の改善をおすすめします。
多くの方が「歳をとると、関節がすり減ってきて、膝や腰が痛くなるのは仕方がない」と思いこんでいます。
膝や腰の痛みの原因は様々で、原因不明のものも実際に多いのだそう。
しかし、ちょっとした足の使い方の癖、つま先の方向、歩き方の癖、などが原因となり、関節がすり減るといわれるような状態を引き起こしていたり、痛みが出たり歩きづらかったりということもあるのです。
そのまま使い続けるのは、健康のためどころか、自分の機能を損なう原因ともなります。
自分が長年自己流で覚えた、トラブルのある歩き方を見直し、本来のデザインに沿った使い方を見つけることで、歩くという機能を維持し、長持ちさせることができます。
私の母は、1日1万歩を目標に、買い物ついでに歩いていたのですが、ひどく寒い日に腰の調子を悪くして接骨院に通うようになりました。
結果、腰を痛めてしまい、その後の経過も思わしくなく、今は介護状態となっています。
母は、まだ歩くことに不安のない頃、靴屋さんで、靴底の減りを指摘され、歳をとったら腰を悪くしますよ、と言われたことがあると言っていました。
今から考えると、歩き方を改善するという方法が、功を奏する可能性もあったのではないかと、思われるのです。
また、母の友人で、水泳に通うようになり、膝が痛かったものの、「それは歳をとって筋肉が弱っているから、もっと鍛えないと」と言われるままに練習を重ねた結果、足が変形してしまったという人がいます。
健康のために、と何かをする前に、自分のカラダの声を無視せずに。
何かサインを送ってきてくれているのだったら、その情報をきちんと受け止め、一方的に「健康にいい」と言われていることを押し付けずに、きちんと検討し、対処してあげましょう。
運動する時間が取れない人
家と職場を行き来するサラリーマンは、移動距離があるわりに、運動不足に悩んでいたりするもの。
アフターや休日に動いたりジムに行ったり、ということができる人はまだしも、残業などで運動する時間がない!という人。
また、疲れてどうも運動する気が起きないけれど、という人。
そんな人は、無理して運動してはいけません。
優先順位として、自分の健康のために時間をさく余裕がない、という生活スタイルを見直すことを試みるべきでしょう。
疲れてしまって、という人は、仕事のストレスが過重ということも考えられます。
運動は、実は身体にとって本来ストレス。運動するとスッキリして気持ちいいのは、運動で生じるストレスを解消するために出るホルモンのせい、という仕組みなのです。
スッキリするまえに、明らかにストレスなのだということを覚えておいてください!
今以上に、運動でストレスをかけることが自分の身体にどう影響を及ぼすか、今の自分にそのストレスを利用して、健康に持っていける体力と気力があるのかどうか?を見極めましょう。
健康づくりに役立つ正しいウォーキングの方法
ウォーキングをするのならば、なんとか正しい方法で歩きたい、と思うのは当然です。
青栁氏は、好きな方法で歩いていいと言っていますが、私がおすすめするのは、自分のデザインを最大限に生かした負担の少ない歩き方です。
人が歩くようにデザインされている機能を、最大限に使い、地球の上という重力の作用している場所で、自分が本来持つ機能を使って歩く、という、一番自然に楽に歩ける「歩きの基本」お伝えします。
ウォーキング姿勢づくりのポイント
人はいろんな歩き方ができます。
自分がやりたいと思うどんな歩き方にも、間違いはないのです。
しかしその前に、歩くということの基本を押さえておく、そうすると、自分がやりたいと思う歩き方、それらはハイレベルな応用編になるわけですが、それに応用が利かせられるようになります。
モデルのウォーキング、ハイヒールで歩くこと、内股で歩くこと、行進、などなどが応用編です。
多くの人が、基本を知らないまま、いきなり応用編の歩くをやってしまい、自己流にいいと思う余計なうごきを付け加えているせいで、体に負担をかけてしまっています。
たとえばまず「姿勢良く、背筋を伸ばして」と、まず考えてしまいがちですが、これはやめましょう!
この指示は、日本人にとって「きをつけ」の姿勢をとらせてしまうもので、百害あって一利なしです。
これが、本来のカラダのデザインを歪めるものにしかなっていないことに気づかず、いい姿勢をしている、と皆、思っています。
しかし「きをつけ」のせいで肩こりや、腕、腰のトラブルに見舞われている人の多いこと!
そういう自分の本来のデザインに余計な邪魔なうごきを加えるもののない「歩くの基本」に立ち戻ってみましょう。
見本とするなら、赤ちゃんの歩き。
人が歩く、というのは、バランスを崩すことから始まります。
そのバランスを、踏み出した足で支える、その繰り返しで、自分が興味を持った方へと進みむのです。
そして、足を踏み出す、というのは、自然と起こるもの。
「しっかり踏み出しましょう、しっかり蹴り出しましょう」と言われることで、その動きを「やりすぎて」しまいます。
そうすると、それが自然な動きを邪魔してしまいます。
この、受動歩行ロボットを見てみてください。
動力はなく、踏み出してはいませんが、歩けていますね。
ロボットの機能や構造と、重力や慣性などが上手に協力しあい、坂道に置かれただけで歩けるのですね。
自分のデザインと地球に歩かされている、といえるでしょう。
人も、これに似た形で、自分自身が持っているデザインと、重力を利用して、楽々と歩くことができます。
自分の本来持っているシステムの邪魔をせずに、その力を発揮してもらって歩きましょう。
お腹をへこましたり、胴体の、意識して力をいれられるようなところに、改めて力を入れる必要はないんですよ。
表面の筋肉を使いすぎると、深層の体幹の筋肉が働くのをジャマしてしまいますから。
まず、自分の脊椎の長さを思い出し、それが自分のカラダの中心を通っていることを思い出します。
脊椎が、両耳の下を結ぶラインの高さまであることを思い出し、その上に頭蓋骨がふんわりと乗っていることを思い出します。
そうすると身体全体が微細に調整を始めてくれます。動きたくなったら、その方向へ動いて大丈夫。
これを思い出すことが、人が持っている全体のシステムの協調作用が働くよう、自分のカラダに働きかける方法です。
これを常にベースとして思い出しながら、これから説明する「解剖学から見た基本の歩きのポイント」を使って歩きます。
解剖学から解説!ラクな歩き方のポイント
歩き方のポイントは5つあります。
一つずつ動きを確認しながら、部屋の中でいいですから、実際に少し歩いてみてくださいね。
それで覚えた歩きをちょっと気に留めて歩くだけで、誰でも本来持っているシステムを生かした歩き方ができます。
股関節
足と胴体の間にある関節が股関節です。
どんなイメージかというと、ドラえもんが、両手で箱ティッシュを持ち上げているところを想像してみてください。
箱ティッシュが胴体。ドラえもんの両手が脚です。
箱と手が接してしているところが股関節にあたります。胴体は、こんな風に脚で挟まれて、支えられているんです。
この脚が動いて歩くわけですから、胴体に歩くための仕事は特になく、胴体のお腹や背中に力を入れる必要がないことがわかるでしょうか?
歩く、は脚の仕事なんです。
では、動きの確認です。
股関節から片足ずつ、足を前に、後に、振ってみましょう。
痛みがある方は無理にやらないでくださいね。
力を使って前後に動かすのではなく、脚の重みと勢いで振り子のようにするすると動くことを確認してみてください。
股関節でこんなに自由に動いているんだ、ということを味わいながら、歩いてみてください。
膝関節
脚の太ももを手で持ち、(椅子に座ってでも構いません)膝から下をブラブラさせてみましょう。
太ももの脚の骨の先端、関節の周りに沿うように前後に動いています。
歩くときもこの、ブラブラする感じに任せ、この動きを邪魔しないのがポイントです。
では、動きの確認です。
ひざから下の脚の、ブラブラする動きを味わいながら、また、少し歩いてみましょう。
足を床につける瞬間、いつもと違うところに足が置かれるのを、ジャマしないでそのまま床に足を置いてみてくださいね。
かかと
この、かかとの形を見てください!
こういう形のものが地面に置かれたとしたら、自然と、ころん、と前(右のほう)に転がりますよね。
そして、転がると同時に体重が移動していき、最後はつま先が離れる。
体重移動は、こんなしくみにも助けられています。
踏み出さなくても、形に助けられて自然と転び、蹴りださなくても自然とつま先は地面から離れます。
では、動きの確認です。
この脚の裏のデザインに体重移動させられている、ということを味わいながら、また少し歩いてみましょう。
足の裏のどこを重心が移動していくか、は、足の裏に任せてあげてください。
足の指
足の指は、確かに歩いている途中、ぎゅっと地面を掴むような動きをするものですが、それも一瞬のことです。
私たちが意識してぎゅっと力を入れる必要はないのです。自然にやってくれます。
しかし、わたしもそうでしたが、それを、意識的にやってしまっている人も多いんです。
意識的にここに力を入れていると、身体全体の本来のバランスがとりづらくなり、他の余計な筋肉がそれを支える必要がでてきてしまいます。
それはつまり、必要のないところで、筋肉を緊張させ、全体のシステムをうごきづらくしてしまうと言うことになります。
コントロールしようと思わず、足指が仕事をしたいときに、自由に仕事ができるようにしてあげましょう。
では、動きの確認です。
歩きながら、足の指の伸びやかさを意識します。力は必要ありません。イメージだけ。
足の指の先から、何かエネルギーが流れ出しているようなイメージをもちながら、少し歩いてみましょう。
指先が向かう方向に、自分の足指が伸びていくイメージです。
そしてさらに「正しい歩き方」のサポートをしようと思うならば、足のマッサージがオススメ。
両足の足首から先の骨の数は、人間の全体の骨の数のうち、1/4を占めています。
これだけたくさんの骨があるということは、関節も多いということ。
つまり、自由に動けることで、バランスに対しての調整作用があるということなんです。
なので、柔軟さがとても大事なところ。
手で触って関節を感じながら、好きなときに、やさしくマッサージしてあげてくださいね。
大臀筋(だいでんきん)で歩く!
歩くときの動力として、意識するならここ!大臀筋です!
立ったままで、どちらか片方の大臀筋(だいでんきん)に力を入れてみます。
入れるたびに、少しだけ力を入れたほうの足が後ろに引っ張られるはず。床から脚を離しておくとわかりやすいです。
これが歩いているときに起こっています。
そして、片方の大臀筋が収縮しているときは、同じ側の脚は地面についているので、かわりに反対側の脚や残りの体全体が前に押し出される力が働きます。
そう!歩くときは足を「よいしょ」と、力を使って踏み出すのではなく、この反動に近い力で自然と繰り出されるうごきを利用するのです。
振り出された足の膝から下も、膝関節のデザインに沿って動くままにまかせ、そのまま足先がたどり着いた場所に、着地させるだけ。
この繰り返しです。
大臀筋に意識を向け「ここが使われているんだ」と、思うだけ、それ以上のことは、歩くためにデザインされている脚に任せておけばいいんです。
大臀筋に、実際に意識して力を入れようとする必要はありません。歩いていればすでに使われている、という、自分のカラダへの信頼を持ってください。
では、動きの確認です。
大臀筋が働いて、反対側の脚が自然に振り出される動き。
それをいかに邪魔せずに自由にさせてあげられるか、を試しながら歩いてみましょう。
大臀筋は、ここが使われてるんだな、と思うだけです。
これらを一度意識しておいて、歩くときにはたまに思い出しながら歩くと、実際とても歩きやすく、自分のデザインと、地形に協力して歩くのが楽しくなりますよ。
わたしも、初・屋久島縄文杉トレッキングチャレンジのため、準備でウォーキングを始めた時、この5つに立ち返って少しずつウォーキングの見直しを始めました。
このやり方を取り入れたおかげで、歩き方が改善され、長時間歩くと腰が痛くなっていたのが、なくなりました。
本番の屋久島縄文杉10時間22キロのトレッキングでは、50歳オーバーの登山初心者にもかかわらず、ほとんど筋肉痛になりませんでした♪
基本の歩きの大切さを、しみじみ実感し、自分の本来持つデザインをそのまま使うことの効率の良さ、カラダへの優しさを実感した瞬間でした。
ウォーキングでの服装や持ち物のポイント
気軽なウォーキングで、本格的な装備をする必要はありませんが「弘法筆を選ばず」
素人だからこそ、上手に書けるように、筆を選びに選んだほうがいいのです!
自分が心地よいと感じる装備を揃え、快適に、楽しく歩いたほうが、健康にもプラスになります。
ウォーキングシューズ
自分の足に合ったウォーキングシューズがいいのはもちろん。
走れるパンプスなどもありますが、本来、歩くことを目的とした靴を履きましょう。
わたしがおすすめするのは、自分の足に合ったウォーキングシューズに、インソールを入れること。
適切な矯正を、骨格にじんわりと働きかけてくれるものです。(注:これを入れれば痛くないというものではありません。使うことによって足を育ててくれるものです。)
ちなみに、これを入れた靴と、スーパーフィートの靴下を使って1年ほどたちましたが、わたしは、足の裏に魚の目、タコ、ができなくなりました。
履いてるだけで改善するのですから、かなり確実で楽チンと思いませんか?
ネットで自分で買うこともできるし、靴を買ったところでサイズに合わせて切ったりしてもくれますが、何回もきちんと合うまで調整してくれ、足のことまでしっかり勉強されている治療院などで買うのがオススメです。
外反母趾やタコが痛いし、外反母趾専用と書いてあるから、と言って底がふわふわの靴なんか買っちゃダメですよ。
履いたときは快適でも、症状が進んでしまいますからね。
服装
スポーツ競技ではないので、わたしもワンピースで歩いたりしていますが、気をつけたいのは、汗をかきやすい夏や、冷えやすい冬。
特に肌に直接当たるものに注意してほしいんです。
登山で、木綿素材(コットン)が厳禁なのはご存知でしょうか?
木綿素材は汗で濡れた後、なかなか乾かず、体温を奪ってしまうので、山では生死に関わる問題となるからです。
平地で近所だと言っても、汗がなかなか乾かない不快さや、冷え、それを気にしない!というのでは、健康というフィーリングを味わうだけの不健康になってしまいます。
そういた毎日のほんの少しの不快さ、冷え、の積み重ねは、何よりも身体に不健康さをもたらしてしまいます。
汗をたくさんかくことで、運動をしている、いいことをしている、カロリーが消費されてる、という感じを実感したい、というのもわかりますが、それは自分の健康のためにはならないのです。
速乾性の素材の下着や、軽くて防寒性、防水性のある上着やパンツなどを着用されることをオススメします。
ものとしては、登山用のものがオススメですが、そうでない場合は、肌に当たる部分がせめて化繊のものを。
ジーパンなども100%コットンですから不向きです。
体温調節がいつでもしやすい重ね着(レイヤード)の工夫なども、登山の人のアイデアをいただくといいと思います。
ベストなのは、こういった登山用の下着をつけること。快適ですよ〜〜!
登山でもないのに、ちょっとオーバーでは?と思うかもしれませんが、たとえば一般的な通勤を考えてみてください。
駅まで歩いて汗を買いた後の、満員電車。湿度が高かったり、冷えすぎていたり。予想外なのは、自然も都会も変わりません。
そして、オフィスや店舗などでも効きすぎの冷房に凍える思いをしたり、暖房に悩まされたり。
そして昼休みに外に出ればまた暑かったり寒かったりでぐったり。そんな中でスーツを着ていたりもするわけです。
都会での生活って、思わぬところでの気温差や湿度差が激しく、そんな中でスーツやワンピースという、体温調節しづらい無防備な格好。。。大自然よりよっぽど厳しくはないでしょうか?
登山用の下着、普段の生活でも快適にしてくれると思いますよ。
せめて速乾性の素材を、あるいはアレルギーなどで自然素材でないと困るのなら、メリノウール素材という手もあります。
私は、下着はオーガニックコットンと決めてたのですが、どんなときも汗をかかないことはないので、やっぱり化繊に戻してしまいました。
アレルギーなどで、どうしてもコットン、という場合は着替えなども考えて、冷やさないように注意してくださいね。
習慣を積み重ねることになる普段だからこそ!ぜひぜひ自分の身体の快適さ、優先させてあげてください。
そして小雨ならば、傘なしでレインウェアで歩くのもまた楽しいものです。
オススメはパンツもセットの上下タイプ。
家に帰って脱いでしまえば、中はまったく濡れていないのですから、快適です♪
登山用はゴアテックスなどが使ってあったりで高機能ですが、こちらはそこまで本格的でなくてもいいでしょう。
もし、雨の日に歩くことに楽しみが見いだせないならば、雨の日は休みましょう。
健康のためには、ココロからやりたい!楽しい!ということを選び取るのがポイント。ご自分で選んでくださいね。
持ち物
ウォーキングだけ、と言っても最低限、ハンカチと水は持ちましょう。
300mlの水筒やペットボトルが入る大きさのポーチがオススメです。
両手を開けておきたいので、斜めがけのバックか、ウエストポーチ。
わたしはウエストポーチで小さいペットボトルが収納できるものを使っていますが、便利ですよ。
帰りに買い物したい、とか、途中でカフェに寄って、コーヒー飲みながら本を読みたいとか、荷物が予想されるならば、肩がけバックやエコバックではなく、ぜひ両手が空くリュックを選んでくださいね。
リュックは、身体にぴったりとつく、歩きを邪魔しないものがオススメです。
登山やサイクリング用の12Lくらいの軽いリュックで、できれば、腰に固定するためのベルト(ウエストハーネス)がついているものがいいです。
リュック本体がカラダから離れた、肩ひもの長い状態でかけている人をよく見かけますが、リュックの重みとバランスを取ろうとして姿勢が崩れてしまうんです。
そのまま歩くのは身体にとって、特に腰、膝にとって負担となります!
また、ウエストハーネスのないリュックに重たい荷物を入れたまま歩くと、肩を圧迫し、腕への血流を邪魔して腕がしびれたり、肩がこったりすることも。
ハーネスがついていながら、それを使わずに重そうにリュックを使っている方、多いですが、使うべきです!身体の負担を軽減してくれ、快適に荷物を持つことができるのですから。
ちょっとの重さ、背負いづらさをバカにせず、めんどくさがらず、利用しましょう。
腰や膝に悪いですから、くれぐれも荷物のもち方には気をつけてくださいね。
リュックがどうしても使えないときでも、自分のカラダの重心に近いところに荷物を持ち、動かない工夫をすることで、多少歩きやすくなります。
帽子もなるべくかぶることをオススメします。
これも、登山用のものがオススメ。
軽くて、通気性がよく、えりあしへの日光を遮る日よけがついていて、メチャメチャ快適です。
ウォーキングコースについて
せっかく歩くのなら、少しは自然のあるところを歩きたいと思いますよね。
あちこちの自治体が、健康への取り組みとしてウォーキングを推奨し、そのためのウォーキングコースを制定したりしています。
お住いの区や、市のホームページを見てみましょう。健康づくりなどのキーワードで検索するとヒットします。
あるいは「●●市・●●区 ウォーキング コース」というキーワードで、Googleなどで検索してみましょう。
わたしが住んでいる横浜市でも、検索すると、いろいろと見つかります。
しかし、これらのコース、ウォーキング、と名付けられているものの、7キロ、10キロ以上のものもたくさんあり、それはもう立派なハイキング!スポーツになってしまいます!
健康のための1日8000歩限度のウォーキングには、どれも多すぎます。
コースが自宅から離れていれば、そこまでの行き帰りも計算に入れる必要があります。
1時間も歩けば約6000歩、約5kmほどに。普段の生活も足して考えるわけですから、わざわざ歩くウォーキングは1時間程度で十分のはず。
オススメするのは、それらのコースの一部分だけ、利用して歩くことです。
楽しそうな公園だけ、気持ち良さそうなせせらぎのところだけ、富士山の見えそうな場所や、行ったことのない近所の川や神社など。
自宅の近所半径5キロ、結構知らないもので、嬉しい発見がいくつもあります。
私は、図書館や銭湯、カフェなどをコースに組み込んで、楽しんでもいます♪
もし、行きたいと思ったところが自分の家から離れているのなら、そこまで電車やバスを使っていくのでもいいでしょう。
1時間以上歩く場合はもう、立派なスポーツということをお忘れなく!
そういった、健康のためのウォーキング以上をやりたくなった場合は、スポーツをする、という意識で、準備や装備を、ウォーキング以上にきちんと整えてください。
近所には道路しかないのなら、自分が気持ち良く歩けるところまで、電車やバスを使っていくというのでもいいかもしれませんね。
幹線道路を歩くのは健康に悪いと言われていても、マスクをしながら歩けばいいや、と自分が判断するのなら、それでいいでしょう。
やっぱり気になる、というのなら、何も外でのウォーキングに固執することはありません。
ジムに入り、クリーンな空気の中でマシンを使って歩く、という手もあります。
家の中でできる運動をする、という手もあります。
そして、さまざまな理由で、自宅の周りを歩くのがどうにもつまらない、というのなら、ウォーキングは諦めてください。
ウォーキングじゃなくてもいいんです。ほかにももっとあなたに合った、楽しい、そして健康にいいことがあるはずです。
柔軟性を持って、自分の納得できる手段を選んでください。
どんな学者やお医者さんがいい!と太鼓判を押したものでも、気が乗らなかったり、いやいやながらするのでは、カラダとココロの健康にとって最悪!ということをお忘れなく。
ウォーキングの時の正しいマインドの持ち方
一番重要なのは「楽しむこと」です。
今までもいくつかお伝えしてきましたが、どんなにいいと言われているものでも、しかたなくやるのでは、効果は半減どころか、マイナスになることもあるのです。
また、やりたくてウォーキングをやっていたとしても、絶対に8,000歩を歩かなければ!と考えたり、歩数が足りなかった時などに、「あぁまたできなかった!」と、自分にダメ出しをしたり、「いつも3日坊主だ」と、けなしたりするのではマイナス効果です。
自分を痛めつけるような考えを持つのは、ココロの健康を自分で損なってしまうことになります。ココロの健康は、カラダの健康にもつながっています。
「正しく歩かないとダメ」「決めた量をこなさないとダメ」「毎日やらないとダメ」という厳しいルールを自分に課すのはやめてくださいね。
また、休まずに歩くことや、より距離を伸ばすこと、より速く歩くこと、などを目指さないでください。
仲間と一緒に歩いている場合などは、つい自分のココロとカラダの欲求を、無視してしまいがちにもなります。
きちんと休み、水分を補給し、トイレに行き、靴の中に異物が入ったなと思ったら、立ち止まって取り除きましょう。
自分の身体のどこかに異常を感じたら、その場で時間をとり、そのカラダからのアラートの面倒をみましょう。我慢は少しでも禁物です。
調子が悪かったり、気が乗らないという理由でも、途中でやめて帰ったり、タクシーやバスで帰ったりしていいと、自分にOKを出して。
我慢してやり続ける、頑張りつづける!というのは、いいこととされる風潮がありますが、何よりも最優先すべきなのは、あなたのココロと身体の声なのです。
自分のココロとカラダの声を、しっかりと聞きながら、ウォーキングを楽しんでください。
まとめ
健康寿命が伸びると言われる、ウォーキングの新しい常識は、8000歩&20分の強運動、それを始める時の注意としては、まず、自分の今の1日の運動量をきちんと計るところから始める、ということでした。
その、過不足を導き出してから、足りない分を補って歩く、ということを面倒臭がらずにやることが大切です。
せっかく素晴らしいデータがあるのですから、それに丁寧に沿った形でウォーキングをすることで、自分が期待する結果を得る確率も高くなります。
そして、一番大切にしてほしいのは、自分の納得と、楽しさ。
人間には、自分がココロから納得したものが、一番効果が出ます。
そして、自分が楽しいとココロから思ったものも、またそうなのです。他人の正解ではダメなのですね。
自分が、何が楽しくて、何を求めているのか、そのために何が必要かという情報を集め、選びとり、試しましょう。
これだ!と一つに固執するのではなく、試しながら、自分に合うものを見つけていくのです。
時代が変わると、さまざまな発見があり、健康にいい、という常識も変わっていくもの。
自分の健康のために、楽しみのために、それをどこまで取り入れるか、何を参考にするか、その判断は、自分にしかできないのです。
そして、自分のカラダとココロにとっての正解は、自分しか知りません。
自分のカラダとココロに常に、丁寧に耳を傾ける、それが、本当の自分の健康につながる一番の方法です。
あなたの身体は、100年間無償貸与の、世界とあなたをつなぐたった一つのかけがえのない窓であり、乗り物。ともに健康に歩んでいきましょう。
ウォーキングが、あなたの健康づくりに役立つ友となりますように♪
今回は以上です。
お読みいただき、ありがとうございました♪